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支出の予測についてVol.1 

公的支出(税・社会保険料など)


 多くのライフプラン・キャッシュフロー分析では、所得税や社会保険料の予想は、当初の所得税や社会保険料に根拠の明確ではない係数を掛けて将来の所得税額を概算値として予想したものがほとんどです。

 確かに所得額の予想精度や、実際の計算を行うための煩雑さを考えれば、簡易型としてはやむを得ないのかもしれません。

 しかし、計算が困難であること、あるいは、所得推計の精度が低いことを理由に、信頼性の裏付けのない係数を使用することは、ライフプラン・キャッシュフロー分析自体の自己否定に等しいものです。

 また概算値では、表示されている数値が、本則に従い計算した数値とどの程度乖離しているのかを調べることも出来ず、算出値の信頼性を確認することが不可能です。

 このように、分析の信頼性を確保するには、正確で地道な計算を避けることは出来ません。

 従って、より信頼性を向上させるために、「標準モデル予測法」では、税や社会保険料の本則に従い計算を行っています。

所得税について


 「標準モデル予測法」では予測した各年度に於ける年収をもとに、所得を有するご家族それぞれのについて本則に基づく税額計算を下記の条件のもと行っています。

 配偶者控除や、老親を含む扶養控除などは、全て反映されるように作成してあります、また、標準化のため、所得のないご家族は、全てお申し込み人の扶養家族として編入し計算処理を行います、このため、夫婦間で扶養家族の分割を行っているような状況には対応していません。

 お子様の扶養控除は、年齢により、一般扶養控除または特定扶養控除が適用されます、また、就職年齢に達した場合は、扶養家族から除外されます。

 住宅取得控除は、「標準モデル予測法」においては全て適用されるものとします、控除期間10年、控除率は年末残高の1%で固定しています。

 県民税・市民税などの地方税は、前年度の年収に対し課税されるため、「標準モデル予測法」もこの法則に従い、前年度の年収に対し課税計算を行い適用しています。

不動産取得税・固定資産税・都市計画税について


 不動産取得税・固定資産税・都市計画税を求めるには、宅地、建物の面積及び評価額が判らなければ求めることが出来ません。

 このことから、通常のライフプラン・キャッシュフロー分析では、建築総額のうちの一定割合を必要額と見込んでいます、しかし、これでは建築エリアに於ける差別化もされていないなど正確性に欠けるものです。

 また、大都市圏と地方では建築総額が同じであっても、地価の違いから建築総額に占める宅地と居宅の割合は大きく異なることになります。

 このことからも、一定の割合で経費を見込む手法にはあまりに大きな誤差を含んでいると言わざるを得ません。

 そこで「標準モデル予測法」では、総務省統計局より公表されている、各都道府県の平均宅地価格、平均宅地面積、平均居宅面積のデータを利用し、建築面積による平米当たりの建築単価の補正を行った上で、借入額と自己資金を加算した建築総額から、一戸建て、集合住宅別に購入物件の宅地、建物の面積及び価格を推計しています。

 例として、大都市圏で埼玉県、地方として新潟県で、土地・建物で総額4000万円の一戸建てを購入する場合を比較すると「標準モデル予測法」では下表のように推計されます。

   宅地価格
(万円)
 居宅価格
(万円)
 宅地面積
(u)
 居宅面積
(u)
 埼玉県  2.462  1,538  214  96
 新潟県  1,308  2,692  425  195

  
 このように、同じ建築総額でも、建築場所により内容は大きく変わり、それによって課税状況も大きく変動します。

 「標準モデル予測法」では、このようにして建築する都道府県別に必要な価格・面積を推計し、課税基礎データとして活用しすることにより、予測精度の向上を図っています。

 なお、課税評価額は、実際の購入額とは異なっており、各市町村により独自に課税評価額を設定しているため、正確な課税評価額は実際の建築地の評価額を使用する必要が有りますが、一般的に課税評価額は、宅地は売買価格の70%、居宅は建築価格の50%と言われており、「標準モデル予測法」でも、この係数を使用しています。

 また、固定資産税・都市計画税についても、税率は各市町村により異なりますが、概ね合わせて1.6%〜1.8%で設定されていますので、「標準モデル予測法」では、固定資産税1.4%、都市計画税0.3%として設定しています。

 既に取得済みの宅地に建物だけを建築する場合は、建物のみの取得税、固定資産税を算出します、この場合、既に保有している宅地の固定資産税を求めることが出来ませんので、お申し込み時にその他支出などの項目に、宅地の固定資産税分を加算して記入していただく必要が有ります。

 固定資産税の変化については、3年ごとに評価替えが行われていますが、「標準モデル予測法」においては、宅地の評価額は変動しないものと仮定しています、また、居宅の評価額については、年2%の減価率方式を採用し固定資産税額の修正を行っています。

社会保険料について


 社会保険料の中には、健康保険、介護保険、雇用保険、厚生年金の掛け金などが含まれます。

 それぞれに料率が決められており、「標準モデル予測法」では、推計した各年度の年収をもとに、所得を有するご家族各々について本則に基づく計算を行っています。

 健康保険(協会健保)の掛金の料率については、各都道府県ごとに設定されており、多少のばらつきが見られますので、お住まいの居住地のデータを適用するように設定してあります。

 退職後は、国民健康保険(国保)に移行する必要が有りますが、国保の料率は各市町村により個々に定められており、お住まいの市町村により保険料は大きく異なります。

 ただし、国保は2018年度を目標に、市町村単位から都道府県単位への移管が決められており、現時点における詳細な計算は、移管後の詳細がわからない現状において意味を持ちません、従って現状の計算はダミーデータを代入した仮計算を表示してあります、将来の詳細な計算を行うには、対象都道府県より詳細な係数が公表された後に再度計算する必要があります。


○国保は医療分と介護分に分かれていますが、今後の退職年齢が65歳に近づくことが予想されることから、国保に於ける介護分は除外しました。

○退職後2年間は協会健保へ任意継続することも可能ですが、「標準モデル予測法」では、退職後直ちに国保へ移行するものとして計算してあります。

○配偶者が退職前の場合、家族は配偶者の扶養家族としてカウントされ、国保加入は配偶者の退職後となります。

 厚生年金については、現在、平成29年度までに毎年料率を上昇させている過渡期に当たります、「標準モデル予測法」では、このような段階的料率変動にも対応して予測年収に基づく計算を行っています。

 


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